2014年3月16日日曜日

本としての役目

この前の週末、わたしは自分の書斎の本の整理をしていた。私の部屋は6畳のこじんまりとした和室で、その部屋のいたるところに本が積み重ねて置かれている。

別に本棚がない訳ではない。むしろ壁の面積はほぼ本棚によって占められている。

このように本棚が十分にあるにも関わらず、本が片付かないのは完全に本の数が本棚のキャパシティを超えているからといえる。

その本たちは今まで自分がなんどもなんども繰り返し読んでいるお気に入りの本から、いつか読むだろうと思ってただ置きっぱなしになっている本たちまで様々。

わたしはある日書店へ行ったときに、話題のそうじ本を立ち読みしていた。

そこには「いつか読むと思って置いていた本のいつかはこない」という内容のことが書かれていており、私自身もその内容にはひどく納得したのでその日のうちに自分の部屋に積み重なっていた「いつか読む本」たちを処分することにした。

私は家に帰るなり早速本を縛るビニールひもを持って本たちと向かい合った。しかしさっきまではあんなに捨ててしまおうと思っていたのに、いざ捨てるとなるともったいないなぁという気がしてしまう。

本という資源自体を捨てるもったいなと、本が本としての役割を遂げずに捨てられることのもったいなさだった。

そこでわたしはいきなり捨ててしまうことはせずにとりあえず玄関のあたりに置いておこうと思い、玄関へ本を運んでいた。

そんなとき隣のおじさんが回覧板を回しにきた。おじさんはその本捨てるのか、と聞くので、私ははい、まぁと曖昧な返事をした。

するとおじさんはその本をくれないかとわたしに言ってきた。私はどうせ捨てようと思っていたものなのでどうぞというと、おじさんはよろこんでそこにあった本を数十冊家に持ち帰った。

私はこのとき本が本としての役目を果たせることができてよかったとなんだか嬉しくなった。

そしてこれからは本を捨てることで処分するのではなく、次の持ち主に渡るような処分、例えば、古本の買取り屋に売るなどどいう形で本を処分してきたいなと思うようになった。